財務コンサルタントを目指したきっかけは?
財務コンサルタントといってもピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、私のメイン業務は、中小企業の事業再生、事業承継、起業に関するコンサルティング業務です。具体的には、資金調達、資金繰り改善といった財務面からアプローチをした経営コンサルティングを行います。
財務コンサルタントとしての活動を始めたきっかけは、行政書士として独立当初に中小企業の支援を行いたいと思っていた中で、元銀行員の経営コンサルタントと出会ったことが大きな転機となりました。
その方の経営するコンサルティング会社が行っていた中小企業の資金調達や資金繰り改善の支援という仕事を知り、その会社のお手伝いをさせて頂く機会を得て、コンサルティング実務を学ぶ中でその業務の需要の高さ、企業への貢献度の高さを目の当たりにしたこと、そして財務の面白さを実感し、この分野にのめり込んでいきました。
そのコンサルティング会社で学ばせて頂いたのち、財務支援ノウハウと行政書士業務を掛け合わせたサービスとして、2005年頃、当時はまだ珍しかった「創業融資×会社設立」を前面に営業活動を行い、その業務で関与したお客様に顧問契約を提案して財務コンサルティング業務を行うというスタイルを構築していきました。
その後、さらに別の経営コンサルティング会社にて事業再生支援を学び、現在は、事業再生支援を中心に中小企業の財務コンサルティングを行なっています。
財務支援に力を入れる理由
資金繰りの課題がないという中小企業は少なく、多くの中小企業は、正しい銀行取引や資金調達方法、資金繰り改善の取り組み方を知りません。ポテンシャルはあるのに財務管理のノウハウ不足により経営に悩んでいる会社が多くいらっしゃいます。
財務コンサルティング業務では、そうした会社に顧問契約で関与することで財務体質を強化し、本来のポテンシャルを存分に生かせる環境作りを支援します。
そうした取り組みにより、関与後数年で売上が2倍、3倍、4倍に伸びる会社も少なくありません。
財務コンサルティングは、会社の数字に関する仕事であり、それは税理士の業務ではないかと思われる方が多いですが、税理士は、税務の専門家であり財務の専門家ではありません。税務と財務は、よく似た言葉ですが、やることは全く違います。
顧問の税理士が財務支援もしてくれれば良いですが、多くの税理士は財務支援に取り組むことができていないのが実際です。その為、中小企業経営者は、財務の相談を誰にすべきか悩んでいます。そこで、財務コンサルタントとして資金調達、財務改善、資金繰り改善の実務を行うことで、税理士がカバーできていない財務面の支援をしています。
クライアントの顧問税理士の先生とも連携しながら税理士と財務コンサルタント、それぞれの専門性を生かしてクライアント企業を良い方向へ導くために万全の体制を構築していきますので、クライアントの社長には非常に喜ばれています。
財務コンサルティングの特徴・メリット
全国の中小企業に対してコンサルティングを行なっており、これまでの顧問先は、北は北海道、南は鹿児島までいらっしゃいます。残念ながら沖縄はこれまでにいらっしゃらないのですが、ご依頼があれば喜んで対応いたします。
弊社の財務コンサルティング業務は、顧問契約によって顧問先の社長と二人三脚で会社を改善する取り組みを行いますので、いわば、顧問先の社長の右腕のような立ち位置です。
顧問先の生き死に関わる資金繰りの難題を扱う業務ですので、とても責任の重い仕事ですが、取り組みの成果で顧問先の経営が上向きになり、社長の思い描いていた会社に近づくことができれば、社長から大きな感謝をして頂けます。
特に、経営が悪化している時に関与する事業再生支援の顧問先が事業再生を果たした時には、破産を覚悟していた社長から命の恩人のような感謝をされ、コンサルタント冥利に尽きます。
弊社の顧問契約のスタイルは、月に一度の面談と都度必要に応じて電話、メールでの相談対応を行い、顧問先の経営計画の策定と計画実行支援を行ってまいります。ベースとなるのは、事業計画の予実管理と資金繰り管理であり、常に経営状況、資金繰り状況を社長が把握できる状況を作り、早いタイミングで問題、課題に気付き、先回りした対応策を講じられる体制を構築します。その過程で必要に応じて資金調達支援をしたり、銀行取引アドバイスをしたり、損益改善の支援をするなど、クライアントの状況に合わせて各施策の実行を支援します。
月に一度の顧問先訪問は、基本的に丸一日、その顧問先に充てています。朝10時30分頃に訪問し、夕方16時、17時頃まで顧問先に滞在し、社長や経理の責任者との面談を中心に行います。
顧問先によって、様々な会議に出席して意見やアドバイスを伝えたり、ファシリテーターをすることもあります。参加する会議は、取締役会議や幹部会議が多いですが、現場の社員との営業会議や店舗展開している会社であれば店長会議、FC展開している会社であればFCオーナー会議など、顧問先の要望に合わせて様々な会議に出席します。
顧問先に充てた1日でどのように私を使うかは顧問先の社長の希望に合わせつつ柔軟に対応しています。
どういうお客様が多いのか
事業フェーズで言えば、経営悪化となっており立て直しを図っている経営改善フェーズ、事業再生フェーズの会社さんが最も多いお客様です。そして事業承継フェーズの会社さんと起業をお考えの創業者さんに対応しています。
顧問契約の中心は事業再生フェーズと事業承継フェーズのお客様です。
顧問先については、売上規模で言えば、年商1億円〜100億円の中小企業が対象となりますが、特に多いのは3億円〜5億円ほどの規模の会社さんです。1億円未満の会社は受けないということではありません。顧問契約がスタートした時には年商が1億円未満の7千万円ほどの会社も今では2.5億円ほどの規模に成長しています。
業種については、さまざまです。特に限定していません。
著書に飲食店に関する書籍がある関係で飲食業のお客様が多い傾向にありますが、偏って多いわけでもありません。多い傾向と言えば飲食業のほか、IT業、建設業、製造業が多い傾向にあります。
最後に、財務コンサルティングに込める想いを教えてください
弊社の財務コンサルティングは、お客さまの状況に応じて、ハンドメイドで取り組んでいます。
これは、会社の経営の効率化という意味では、対応できる件数は減り、生産性が下がってしまうのですが、それでもこのスタイルにこだわって対応しています。経営コンサルティングは、機械的に支援業務をするのではなく、お客様に寄り添って支援することが求められるものですので、これで良いと思っています。
また、基本的にはスポット対応での受注を行わず、継続的な関与で対応する顧問契約をベースに対応しています。例えば、資金調達支援をスポット業務として対応するだけでは、お客様の財務改善は達成できません。
これまでに数多くの支援をさせて頂きそれを痛感してきました。
財務を改善するには時間がかかり、定期的な関与によってしか改善のお手伝いはできません。
こうした理由から顧問契約を中心に取り組んでおり、今後も一社でも多くの中小企業の力となりご支援していきたいと思っています。