融資はうちが対応しますので資金調達の心配はいりません。期間をうまく設定すれば今の家賃負担とほとんど変わらない金額で融資を組めるし、賃貸じゃないので資産になって御社にとって良いんじゃないですか?」って提案されたらしく、「どう思う?」って相談されたんですよ。
ですが、基本的に購入した場合の方がキャッシュフローは悪化します。
前提条件を整理すると
賃貸の場合の家賃が月額20万円
所有の場合の融資の元利の支払い月額が 元金17万+利息3万円=20万円
どちらもこの支払いを除くと月100万円の利益が出ていたとします。
税率は30%としましょうか。
話をシンプルにしたいのでこの要素だけで話しますね。
100万円の利益から家賃20万円が経費になるので差し引きますよね。
100万-20万=80万 ですね。
年間にすると80万×12ヶ月=960万円 の黒字です。
ここに30%の税金がかかるので
960万円×30%=288万円 の税金
税引後利益は960万円−288万=672万円 ですね。
細かい要素は省くので、この672万がお金として残る計算になりますよね。つまりキャッシュフローは672万円
100万円の利益から引ける経費は何になりますかね?
100万-3万=97万 ですね。
年間にすると97万円×12ヶ月=1,164万円 の黒字です。
ここに30%の税金がかかるので
1,164万円×30%=349万円の税金
税引後利益は1,164万円−349万=815万円 ですね。
815万円−204万円=611万円の手残りです。つまりキャッシュフローは611万円。
所有の方が60万円以上、キャッシュフローが悪いじゃないですか!
同じ20万円のキャッシュアウトでも借入金の返済なのか経費なのかでは資金繰り上、大きな違いとなります。
返済が終わった後は、元金も利息も支払いがなくなるのでキャッシュフローが楽になるし、資産も得られますからね。
…結局、どっちが良いんですか?
あと、事業の成長と共に社員の数が増えたりするので事務所が手狭になって引っ越すこともよくあるし、ビジネス的に場所を移動したいとかもあったりすることを考えても小回りの効く賃貸の方が良いと言えますよね。
経営的な判断でも、以前の動画でもお伝えした通り、少ない(最適な量の)総資産でより多くの売上、利益を稼ぐ方が基本的に良い会社と言えるわけなので。
そういう効果を狙って所有している自社ビルをリースバックして所有から賃貸に変える企業もありますからね。最近ではエイベックスや電通が本社ビルをリースバックしましたよね。
一方で、所有していれば、それを担保にまとまった資金を借りることができたり、将来的に売却して資金を得ると言うこともできるので、長期的に見れば所有もメリットがありますので、その会社がどう考えるかですね。